浮世絵 浮絵、錦絵
先日高島屋に「浮世絵ベルギー ロイヤル コレクション展」を見に行ってきた。この展示会は昨年より大田区、京都と巡回した展示会で残念ながら昨日が最後であった。ベルギーには王立美術博物館と王立図書館があり、浮世絵総数8,000点があり、19世紀に美術史上ジャポニズムとして多くの影響を与えた。19世紀後半からのアールヌーボーの挿絵などにもその例を見ることが出来る。世界にはボストン美術館に5万点、イギリスにも2.5万点を越える作品があるそうだから、多く絵の絵師が100年の間に日夜制作し、版画として印刷に励んだのであろうか。今日の展示会には写楽、歌麿、春信、北斎、広重、国貞、国芳などその他初めて聞く名前の絵師33人の150の作品であった。不思議なのは浮世絵は版画と言うがその繊細さにはおどろいたが肉筆画もあるはずなのにその区分がない*ことや木版そのものには価値がないのか展示がないことである。又殆どの浮世絵は遠近法がない為むしろ遠くの方が大きかったり、これは障子の桟や畳を見ると眼がおかしくなるものの、より絵画的である。遠近法が取り入れられたのが浮世絵のなかでも浮き絵*と言うそうで、又版画として次代に育っていったのが錦絵*である。佐倉の美術館で錦絵展もやっていたが行けずじまいであった。(上記にはきめ付けがあるので以下注記すると)
*浮世絵の枠外に版元の名前が入っているのが版画だと思われる。
*錦絵とは多色刷り木版画と定義される。1770年前後に、鈴木春信によって開発されたと言われ、鳥居清長・喜多川歌麿・東洲斎写楽・葛飾北斎・歌川広重を初めとする数多くの絵師が活躍した。北斎の「凱風快晴」や「神奈川沖浪裏」などは版画に分類され、
菱川師宣作の「見返り美人」は肉筆画である。むしろ浮世絵には"肉筆"と"版画"があるというのが正しいようだ。写真お見返り美人は展示にはなく東京国立博物館蔵のものである。
*浮絵とは西洋画の<透視>遠近法を利用して描いた浮世絵版画で浮き出るように見えるため浮絵と呼ばれた。浮絵元祖を自称する奥村政信で、歌川豊春などもいる。
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