バタヴィア城日誌 日誌不要論
市の図書館で「バタヴィア城日誌」と言うものを見つけた。写真は口絵にあったRachのバタビア城遠景
村上直次郎誌が訳したもので1624年から1641年迄はS12年発行され その後の1684年迄の分は遺稿をS45年に発行されたものだが原本はほとんどがジャカルタの古文書館にあるがそれは1624年から1807年迄存続されたものだ。
この資料はVOCの各地の日誌をバタヴィアでまとめ本部に送ったもので鎖国中の日本の状況や台湾、その他各地の歴史資料として非常に有用なものであるが、原本自体1808年3月「何ら益なきものとして廃止された」と言うし日本語の翻訳もこの偉大な村上博士の偉業のあと続いた形跡はないのが不思議である。
この翻訳もただの翻訳ではなく例えばオランダ語原文にはない漢字の中国人名や訳注の内容がさらに価値を増している。氏にはほかに「蘭領印度史」の翻訳もあり、これもその後訂正を見た個所がないほどのもの故造詣の深さは押して知るべしである。この本も3巻もあり詳しすぎて中1巻のみ、そして序文以外は拾い読み程度しかできなかったが、なぜ原本も翻訳も継続されなかったのだろうか。日誌と言えば航海日誌などは義務であるし一定の価値はあるはずである。小生の会社勤務時代は義務ではなかったが自発的に書いていた記憶がある。最近でこそ不要論が出てきたが、思うに否定する根拠としては時間がもったいないということ或いは上司に報告するなら作文になる可能性がある程度である。
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