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2017年3月 7日 (火)

日本人のすごさ

久生十蘭の「内地によろしく」という戦中小説をよんだ。あの時代日本人は国策によってこのようだったのかと小生は畏れるものがあった。十蘭は誇張法とか技巧を駆使する作家でその文体と豊富な語彙でひきつけるものがあり、2回も拾い読みした。彼の語彙や言いまわしを使ってこの小説を紹介しよう。

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ある従軍画家が占領した最南端の戦地から一時日本に帰る時言われた「内地によろしく」と言う言葉は、彼が望んで再度訪れた「懐かしい戦地」から、最後は船で日本に戻る「私」(誰か不明)に言う言葉になり、彼は密集する敵襲撃の爆風のなか布をふっていた姿で、玉砕を暗示している。この前線は鳳梨やパパヤの刺身を食い「鬼がコメを食うかい!」と何苦楚と、力む正に仙境である。毎日の爆撃に焼かれた荒野では「マラリヤもデングもなくて昼寝かな」と句を詠み、戦争をし乍ら自己を磨く。豪宕・健骨の逞しさも日本の風物の潔癖さへ懐郷し、初雪を目玉が風邪を引くほど見たいと思い、山川をさすりたい程の愛情を感じる。
テニアン、サイパンも落ち、秋になれば葉が落ちるほどの自然さで、桜が咲く迄生きているか分からない中、出港の精神と自分の位牌を抱いて飄々と神の国に遊び、自分の勇気に気づいてない日本人の生地のすごさを讃えている。日本人のあの人情もあの親切も戦場なれば、。。。。。。。あの時代だからこそと思えるが、島国日本人は情に脆く、騙されやすく、又大勢に付きやすいのではないかと今を危ぶむ気持ちも沸いた。掲げた戦争画はこの文章とは関係ない。

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